ビュフォンの針

平面上に間隔dで平行線がひかれている時に上から長さLの針を落としたときに平行線と針が交わる確率を求めよ.ただし L < d

ビュフォンの針とよばれる非常に有名な問題.角度と平行線から重心への距離に関して重積分すると求まるが,どう積分するんだっけとか忘れてしまうことが多い,で今日積分計算をしないで証明する方法を読んだのでメモ.ソースはIntroduction to Geometric Probabilityの1章.これを使うとどこかの院試の2004年の専門がただちにとける.

まず,X_1を長さL_1の針を落としたときの交差数を落としたときの交差数をあらわす確率変数とする.このときp_nを交差数がnとなる確率とするとX_1の期待値は
E(X_1) = \sum_{n \geq 0} n p_n
特にL_1 < dのときp_1となる.ここで長さL_2の針を落としたときの交差数を表す確率変数をX_2とする,ここで2つの針を端点でくっつけて角度を固定したとき,X_1とX_2は独立ではないが期待値の線形性から
E(X_1) + E(X_2) = E(X_1 + X_2)
が成り立つ.これを拡張すると任意のpolylineに関して成り立つ.

ここでE(X_1)は針の長さにしかよらないのでこれをf(L_1)と書くと
f(L_1) + f(L_2) = f(L_1 + L_2)
である.fの単調増大性から長さLの曲線に関して
f(L) = r L
であることがわかる.ここでrは定数でf(L)は長さLの曲線が平行線とまじわる回数の期待値を表す.

ここで直径dの円が平行線と交わる回数は常に2であることを利用すると
 2= r \pi d
 r= 2/\pi d
 f(L) = \frac{2L}{\pi d }
これより L < dのときに針が平行線と交わる確率が
\frac{2L}{\pi d }
であることがいえた.